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「カーズ」テクニカル記事

AWNに、ちょっと前から載っていた記事です。
http://mag.awn.com/?ltype=pageone&article_no=2900
Part1となってますから、Part2もあるんでしょうね。

---メーターをメインで担当した主任アニメーターのDoug Sweetlandは言う。
「ピクサー作品に出てきた2本足のキャラクターで、一番複雑なモデルを扱った「Mr.インクレディブル」のすぐ後なのに、「カーズ」のキャラクターは非常に単純だ。指や足や腕がないどころか、胴体と頭の区別さえないくらいだから、身体を使ったジェスチャー表現にものすごく制限がある。
「ファインディング・ニモ」よりさらに単純な構造なんだ。実物の車を見て、挙動やマテリアルの研究はできるけど、生きている車が、どんな感情表現をするかなんて、参考にできるものは一つもないし」

---フロントガラス上のマブタとマツゲ(ディズニーの短編アニメ「小型クーペのスージー」(1952) を参考にした)と、タイヤぐらいしか、事実上、表現に使えるパーツがないのだ。
「マブタのように、デザインの必要上付けたパーツもある。フロントガラスは1枚だから、1つの目玉に瞳が2つあるように見えてしまう。マブタによって、2つの瞳があってもおかしくなくなる。フロントガラスを目にすることで、文字通り、キャラクターの内側を覗く窓になった。(訳者註:車の擬人化だと、ヘッドライトを目にするデザインもありうる)
ラセター監督には、フロントガラスを目にしたら、頭と身体の区別がなくなることがわかっていたから、そのデザインにも意味づけが必要だったんだ。マブタは、2つの瞳を可能にするだけでなく、男女の区別も表している。マブタを弓なりにすると、女の子に見えるんだ。理由はわからないが、ファンタジーのロジックだろう。
他にも、いろいろと全く初めての表現を考えなければならなかった。たとえば、フェンダーのあたりは、顔で言うと頬にあたるが、肩としても扱える」

---目に関する試行錯誤について、技術主任のEben Ostbyは語る。
「初めのうちは、フロントガラス上の目は、微妙に変な感じだった。瞳のサイズが違って見えたんだ。フロントガラスは平らだから、その上で正確なパースがかかると、おかしくなるんだ。だから、フロントガラスの正確なパースに対して、別のパースを使って、瞳のサイズを変えるようなシステムで、その問題を解消してる。
ラセター監督は、瞳に特別な光り方を要求した。一方が明るくなってて、暗い方に光のスポットがあるような感じだ。しかも、実際の光源に影響されなければならないし、アニメーターが制御できない(テクスチャで描くようなやりかた)のも許されない。これが、マンガっぽい感じをもたらしている」

---「カーズ」の目標の1つは、映像の精度を引き上げることだった。Ostbyは言う。
「ぼくらは、レンダーマンに新しく盛り込まれたレイトレーシング(GI)機能を最初に使えた。これまでできなかった表現がいろいろ使えるようになった。車の外装で、大事なのは反射だし、反射の正確さが重要なんだ。たとえば、影の中でも、目はちゃんと反射しているように見える。そうでないと死んだ目になってしまう。また、パーツ同士がちゃんと反射してないと、バラバラに見えてしまう。ヘッドライトの周囲のクロームリングなんかに、ちゃんとボディーが写り込んでいないと、そこだけ浮いて見えたりするんだ。
背景なんかはこれまでのレンダリング技術を使っている。しかし、レイトレーシング(GI)が必要なシーンもあった。リアリティのために、アンビエント・オクルージョンが必要だったんだ。それは、割れ目の奥の方が、だんだん暗くなるような効果のことだ。だんだん届く光が少なくなって暗くなっていくから、ある地点に届く光の量をGIで計算していかなければならない。あまりピカピカしていないメーターのようなキャラクターは、これによって、明るく見える。
アンビエント・オクルージョンが、特に重要なのは影だ。直射日光の下で、車の下に出来る影を観察すると、縁の方と、内側の方では影の濃さが違う。だから、影を作るのにオクルージョンを使わないといけない」

---拡張されたレンダリングテクニックを使いつつ、初期には1コマ17時間もかかっていたレンダリング時間を短縮して、作品を完成させることが最大の課題になったとOstbyは言う。
「やろうとしていることと、やるべきことを見極めるのに、統計的な考え方を使った。車については、誰もが影に注目するから、たとえ時間がかかろうとも、レイトレースされた影を使うしかない。しかし、樹木が道路に落とす影なんかは、そうでもないだろう。
まず、全ての物に、レイトレーシング(GI)を使うようにするプログラムを書いた。そして、全てレイトレーシングした画像と、レイトレーシングを使わない画像を作って比較しながら、そのプログラムを改良していった。こうして、オクルージョンを使ったシャドウも扱えるようになった。
ネオンのシーンでは、凄い効果が大量に使われている。特に、光が、点光源ではなく、ネオンチューブから出ているように見えるように、いろいろとやらなければならなかった。ネオンが光ると、建物や道路に反射し、キャラクターもその光を反射する。そのために、いろいろなトリックを使っているが、そのシーンに必要な効果を出している。

---他にも、「カーズ」のためにいくつかの新しいプログラムが開発された。
「グラウンド・ロッキングでは、アニメーターが、表情作成に集中できるようにしたかった。肩や頭を動かしても、地面から浮かないようにした。タイヤは、地面に接触して回転する。車体は、あたかも実際はサスペンションがあるような状態で位置が決まる。車体は、本物っぽく、揺れるし、サスペンションが柔らかい車は揺れも大きい。
キングピン・システムは、タイヤや、サスペンション、アンテナなどに、二次的な動きをリアルに付ける。
ユニバーサル・リグは、キャラクターのリギングに使う。1つのキャラクターにリギングしたら、他のキャラクターにも、同じリグ構造を当てはめることができる。
アニメーター達は、車がどれぐらい変形させればいいかテストを繰り返した。あまり変形させすぎると、ゴムのような感じになるし、あまり堅くすると、表情が出ない。映画を見ていると、これが人の顔のように、ちゃんと構造を持ったものに見えてくるだろう」
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3DCGに関連して、ソフトや技術に関する情報を提供するポータルはいろいろありますが、作られた作品そのものの情報は意外と見あたらないようです。
非力ながら、私の目に付く範囲でまとめていこうと思っています。

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